2013年5月9日木曜日

ディディエ・ガラス(フランス)新作公演に向けて


20106月、京都のアトリエ劇研演劇祭において上演された、フランス人俳優ディディエ・ガラス氏の作品『アルルカン天狗に出会う』は鳴り止まぬ拍手の中で幕を閉じました。約1時間、日本語を話さない彼が、一人芝居で、その多くの台詞を日本語で語り観客を驚かせました。その作品は、東京と静岡(静岡県舞台芸術センター<SPACShizuoka春の芸術祭2010招聘)でも上演され反響を呼びました。
 そして、昨年(2012年)この作品の改訂版を日本国内で上演できないかという相談をフランス側から打診され、私は二つ返事で引き受けました。作品はもとより、俳優(アーティスト)としての彼の態度や、人間性を私はとても尊敬しており、ぜひ一人でも多くの観客に彼を紹介したいと思ったのです。そして、できれば日本各地の役者さん(特に若い役者さん)達に出会っていただき、多くを彼から得て欲しいと思ったのです。
 私たちは彼の新版『アルルカン(再び)天狗に出会う』をもって、横浜、京都、広島、東京、福岡、鳥取とツアーしました。そして、それに合わせてワークショップを実施し、多くの俳優やダンサーと出会う機会を設けました。
 日本では知名度が低く、しかも仮面劇というなじみの薄いパフォーマンスでありながら、彼の作品は各地で好評を得ました。特に、様々な演技テクニックを駆使しつつ、観客と交流しながら芝居を運ぶ彼の作風は、子供からお年寄りまで幅広い層に受け入れられました。
 また彼は、日本の俳優やダンサーと出会ったことで、自ら演出をし日本の役者達と作品を作ることに意欲を持ち始めていました。それを聞いた時、このプロジェクトが広がりを見せていることを実感したのです。そうして、今回の事業が走り出したのです。2013年の6月に再び大阪の高槻でワークショップを行い出演者を決定します。初演は2014年の秋の予定です。ちなみに2014年はアトリエ劇研30周年にもあたり、幅広い層に楽しんで頂ける、国際共同プロジェクトとして、そして国内のいくつかの劇場と手を組んで行うプロジェクトとして、非常に意義深いものになりそうです。

 制作する作品は、子供さんも楽しめるものにしたい。深みがあり、楽しい作品にしたい。そして、できるだけ若手で、才能あふれるアーティストが参加したプロダクションで創作したい。と考えています。

 音楽には京都在住の音楽家、野村誠さんも加わってくれることになりました。
 ワークショップに集って下さる才能が彼と出会って、どのような化学反応が起こるか、とても楽しみです。

ワークショップオーディションの詳細はこちらをご覧下さい。

プロデューサー
杉山準