2011年11月6日日曜日

深津WS、2日目

2日目に行なったことを簡単に紹介します。事業担当の伊藤です。
まず最初に、使用しているテキストが、実際の公演時にどういった舞台美術だったのかを、深津さん自ら詳しく説明されました。かなり細かく美術の話をされ、リアルな美術とそうでないものの話や、心象風景の光で作っていく場面の話などが出ました。舞台をどの角度から見るかによっても、舞台の印象が変わるといった話も、鑑賞者として考えればごくごく当たり前の話なのですが、改めてこういったワークの冒頭に聞かされることで、俳優の想像力が高まっていきます。
舞台美術の説明が一段落付いたところで、早速読みに入っていきました。読みをしていく中で、深津さんの言葉が俳優に突き刺さっていきます。そんな印象を持ちました。やはり俳優の方はセリフを読もうとします。しかし、演技のプランの根本は、深津さんの仰る通り、入力作業だと思います。あらゆる情報を、あらゆる状況を入力して、そこから出てくるものを少しずつ積み重ねていく必要性を、参加者の皆さんは少しずつ感じていけたのではないでしょうか。
深津さん自らも仰っていましたが、深津さんの演出には、非常に独特のものがあり、その中の一つが「伏せ字」です。セリフの中で言いたくない言葉を敢えて伏せ字にして、読まないようにします。また、関係性の生き物である人間を強く意識するための「糸」というワークもあります。それ以外にも行なったワークに、「ニュアンス飛ばし」というワークもあります。これらのワークは、俳優が役柄を生きる上で、まず入力作業を大事にして欲しい、という思いで行なわれているものだと思います。
普段の稽古場では感じることが出来ない、深津さん独特の演技指導は、深津さんも仰っていたのですが、気持ち的にある意味しんどい作業であり、即効性の無いものかもしれません。しかし、しんどい作業を行なうからこそ、基軸が出来上がっていき、演技の層が厚くなるのです。最初から嘘をつくことと、本当を作った後に嘘をつくことは全く違います。入力作業を忠実に、丁寧に行なっていくワークは、俳優として必要不可欠な作業であることを改めて思い知りました。3日目のワークは、11月9日です。宿題も幾つか出ましたので、現場に入るのが大変楽しみであります。

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